ヨガインストラクター資格(目的別おすすめ)
2021/09/09
ヨガを教えることが仕事であるヨガインストラクター。
昔はヨガの先生と呼ばれていましたが、フィットネス業界への普及から、レッスンをインストラクションする「ヨガインストラクター」という呼び方が一般的となっていますね。
こちらの記事では、ヨガインストラクター資格について解説していき、目的別に、あまり他の記事では紹介されないような少々マニアックな資格もご紹介いたします!
そもそも、ヨガインストラクターは国家資格ではなく、さまざまな団体が民間資格として出しているものですので、資格をとらなければ教えてはいけないという決まりはありません。
独学でヨガを学び、独自の教えを作った先生も数多くいらっしゃいますし、教えはグル(師)から受け継ぐもので資格という概念を持たない方もいらっしゃいます。
私自身も、体育学の大学院を修了後、一般学生に健康・フィットネスの授業を教えることになったため、授業に取り入れるためにヨガを習いはじめ、本などでも学び、しばらくはインストラクター資格は持たず、授業で教えるということをしていました。
つまり、フィットネスレベルのヨガレッスンであれば、身体の解剖生理学的知識、安全面への配慮ができる知識、コーチングの知識などがあれば、自身がヨガを習ったり本で学習したりするだけで、容易に提供することができます。
しかしながら、そういった体育や健康に関わる知識がない状態で教えようとすれば、当然ですが、生徒さんの身体を痛めてしまうことにも繋がりかねません。
まずは、自分自身の、身体的な知識がどのくらいあるのかを把握することが大切です。
3段階に分けてみました。
・一般的 義務教育や高等教育の保健や健康教育レベルでの知識がある
・学問的 大学の医学部、体育学部、健康学部といった身体を扱う分野で学ぶ知識を得て、身体の機能について十分に理解している
・専門的 鍼灸師や整体師やマッサージ師、体育教師やトレーナーなど、身体を扱う仕事につき、理論と実践の両方を積み、知識+知恵のレベルに達している
あなたが一般的なレベルの場合、解剖生理学など身体の知識をしっかり学ぶこと+ヨガのレッスンのリード方法を学ぶ必要があります。
カリキュラムの中に解剖生理学や健康学の学びの時間がしっかりと設けられている、それなりに時間をかけて学ぶ資格であることが重要ですので、短い時間と費用で取ることのできる通信講座などは適しません。
あなたが学問的なレベルにある場合、身体的な知識はある状態ですから、ヨガ専門の知識と、レッスンの組み立てやリード方法がしっかり学べる資格がお勧めです。ヨガのポーズ、指導法、ヨガの古典的な内容も学ぶことができる資格かどうかをポイントにしましょう。
あなたが専門的なレベルで、既に身体的な指導や治療などに携わっている人なら、正直、資格をとらなくても、ヨガのポーズや哲学を本などで学び、何度かレッスンを受けていくことで、独学でも安全に教えることができるでしょう。
ただし、ヨガは身体的な知識と指導だけではなく、瞑想やセラピーなど、エネルギーや心や魂といったことも学びの中に含まれます。
ヨガには数多くの流派や種類があるので、自分自身が多くの方に伝えていきたいことが何なのかをあらためて確認してみましょう。
私は、多くの人が、身体も心も、スピリチュアル(エネルギーや意識)も含めた、ホリスティックな健康を意識して、自分らしく快適に生きることを、ヨガやリトリートを通して広げていきたいと思っています。
それぞれの価値観に沿ったピッタリな教えを探せると良いですね。
さて、ここまでは、それぞれのもっている知識レベルからのアドバイスを書きましたが、次は、どのようなにヨガを仕事にとりいれていきたいかによって解説していきます。
・フリーのヨガインストラクターとして活躍したい
↓
スタジオやフィットネスクラブなどど契約し、週に10〜20本といったレッスンをこなし、ヨガを教えることで生活していくのがフリーのインストラクターです。
オーディションや募集があればどんどん挑戦して、空き時間を徐々に埋めていきます。初期は自由度の高いバイトと掛け持ちで、ヨガの仕事が入ったら切り替えていくような方が多いです。
これはもちろん体力が必要で、移動も多いのでそれを苦にしない方が向いています。
もちろんオーディションに受かる能力も必要ですので、アーサナレベルやリード技術を向上させていくことも大切です。
そして、フリーで活躍したいのであれば、全米ヨガアライアンス(RYT)の資格は持っていると有利です。履歴書にこの資格が記載してあると、身体についてもヨガについても一通りのことをきちんと学んでいると受けとられるので、書類段階においては、あまり聞かないようなマニアックな資格よりも優位になります。
・自主開催や自宅スタジオをメインに活動したい
↓
場所は自宅や公民館やレンタルスタジオ、最近ではオンラインなども含め、様々な形がありますが、いわゆる「自主開催」のインストラクターです。
フリーとの違いは「自分で集客すること」
その分、生徒さんのレッスン代は場所代がかかる場合を除き、基本的には100%が収入になります。
自主開催は、自分自身のPR力の有無が問われます。ブログやSNSをコツコツと続け、魅力的なヨガに関わる記事を上げながら、ファンを増やしていくことが大切です。
ですので、どちらかといえばニッチな資格で差別化をはかるという方法もあります。
例えば、日本でも好きな方の多い、シヴァナンダヨガの指導者資格、アシュタンガヨガの指導者資格、またハーブヨガや指ヨガといった、オリジナル度合いの高いヨガ資格やマインドフルネス瞑想のインストラクターなども面白いのではないでしょうか。
注意点として、インストラクター資格というより、インストラクターが学ぶためのいわゆる「ティーチャーズトレーニング」と呼ばれるような講座だと、ベースとしての指導力があってこそのものとなるので、そこは見極める注意が必要です。(例えば、陰ヨガ指導者講座とか、マタニティヨガ指導者講座とかですね)
フリーと自主開催を両方手がけているインストラクターも近年は増えてきています。
今の時代は、ネットがうまく使えるかどうか(もちろん、チラシや口コミで集客している方も少ないながらもいらっしゃいます)、また自己開示や自己PRに抵抗がないか、ちょっと盛れる告知力も自主開催さんにとって磨きたいところです。
・今の仕事にとりいれたい
↓
次は、今の仕事に+@として、ヨガを取り入れていきたい方です。
私のスクールに来てくださる方の中にも、体育学部の先生、鍼灸師さん、理学療法士さん、フラの先生、アロマセラピストさんなど、身体に関わる指導や治療やケアに従事していらっしゃる方がいらっしゃいます。
このタイプの方は、お仕事としては成り立っているので、RYTのようにあまりにも時間をしっかりかけ、論文や試験もあるような資格取得には向きません。
大切なのは、自分の仕事に負荷がかかりすぎず無理なく学べるペースであるかどうかです。
週5日働いているのに、毎週講座があり、毎回課題があることをイメージしてみてください。ちょっと苦しくなってしまうのは当然ですよね。
ご自身の働くペースと学ぶペースが両立させられるものを探してみましょう。
・副業やボランティアなどに使いたい
↓
ご自身の仕事を変えるつもりはないけど、お休みの日を使って、ヨガの指導にも携わっていきたい方です。
フルタイムで働きながら週に1度、夜や土日を使ってレッスンを担当したり、自主開催をしたり、ボランティアで介護施設などに出向いたり。
個人的なお勧めは、私も手がけていたお寺ヨガです。ヨガと仏教は古代インドの思想や哲学から派生したため、兄弟のようなものです。
ちょっとオープンなお寺さんなら、お寺でヨガを教えたいと相談したらけっこう乗り気になってくれるはず。(個人差ならぬお寺差ありですが)
檀家さんにお声かけしてくれたり、ホームページに載せてくれたり、集客も手伝ってくれると思います。
さて、資格取得については、やはり仕事のペースと両立できる学びのペースであることが必須です。ゆっくり、しっかり学べる資格がお勧めです。
【ヨガの資格あれこれ】
(他にも多くの団体がヨガインストラクター資格を認定していますが、最もメジャーなRYT以外には特徴のある資格をご紹介していきます)
◆RYT200
全米ヨガアライアンス協会が制定した国際的なヨガインストラクター資格です。世界で最も認知度が高いヨガの資格。安定した200時間のカリキュラムを持ち、さらにステップアップすることで、認定校資格を得ることができます。
ただし、ある意味でアメリカらしい協会ビジネスとも言われており、毎年の協会費を収める必要があります。日本でも認定校が非常に多くあるため、同じカリキュラムであっても、スクールや講師によって雰囲気が異なるので、比較してから入学を決めると良いでしょう。
最近ではオンラインでRYTが取得可能な場所もあり、もちろんオンラインでも問題ない部分もありますが、絶対的に対面でないと理解が浅くなってしまう部分もあるため、金額が安くなっていても正直お勧めはできません。
*既に他のインストラクター資格をとっていてRYTを取りたい方なら、安価なオンラインは良いタイミングだと思います
◆アシュタンガヨガ指導者養成コース
アシュタンガヨガの経験が必須です。アシュタンガヨガは、パタビ・ジョイスが現代ヨガとしてカスタマイズした流派で、日本の第一人者ケン・ハラクマ氏による指導者養成コースが日本でも開催されています。
アシュタンガヨガが好きなら、やはりアシュタンガヨガの指導者養成がお勧めです。
ヨガ専門スタジオでは、アシュタンガヨガのクラスができるのは大きなアドバンテージです。
ただ、一般的なヨガと比べ、独特な部分もあるため、フィットネスクラブなどではウケません。アロマヨガとか骨盤調整ヨガができる方が評価が高くなるでしょう。
◆シヴァナンダヨガ指導者養成コース
シヴァナンダヨガは、西洋医学の医師でもあるスワミ・シヴァナンダの教えを体系化して、世界のシヴァナンダヨガセンターで伝えられているヨガ。
各国のアシュラムで4週間宿泊しながら、滞在中はヨガ漬けでシヴァナンダヨガを学びます。1日のスケジュールには奉仕の時間であるカルマ・ヨガやキールタン などの時間もとられています。
アシュタンガヨガと同様に、シヴァナンダヨガもヨガ専門スタジオでは、重宝されます。同じようにフィットネスクラブなどではあまり需要がありません。
◆YIC(ヨガ教師養成講座)/YTIC(ヨガ療法士養成講座)
インド政府公認のヨガインストラクター資格として、日本ヨーガ・ニケタンが講座を開催しています。「スワミ・ヴィヴェーカーナンダ・ヨガ研究所・ヨガ大学院大学」の理論や指導法に準じたもので、療法士になるには、症状による学びを修め、論文提出もあります。
スタジオ等で教えるというより、心療内科や精神科のようなクリニックにおいて導入することを目的に取得するドクターやカウンセラーもいます。ヨガを治療という観点で学びたい方にお勧めの資格です。
◆クリシュナマチャリヤの教え正式指導資格
鵠沼海岸にある隠れ家的なヨガスタジオジョーティでは、クリシュナマチャリヤのヨガを学べます。3年間600時間以上という、ロングスパンでの学びですが、だからこそ培われる知識と技術があります。
クリシュナマチャリヤは、アシュタンガヨガの創始者パタビ・ジョイスや、アイアンガーヨガのアイアンガーの師ですが、晩年のクリシュナマチャリヤのヨガはセラピー要素が高く、個々に合わせたマンツーマンでの指導が特徴でした。ヨガは生き方という考えのもと、運動強度としては高すぎないアーサナ、マントラ、哲学、瞑想を実践していきます。
スタジオインストラクターを目指す方には向きませんが、個人で開業するなど自主開催をメインとする活動には他との差別化にもなります。
◆ハーブヨガ指導者養成講座
ハーブヨガとは、ハーブボールを使って、基本は温めながら行うヨガです。国際ハーブヨガ協会を立ち上げた宗夫妻が提唱したヨガで、温活や妊活などにも最適です。
マンツーマンか少人数レッスンに適しているため、スタジオではイベントスタッフやプライベートレッスンで行われることが多いでしょう。
アロマやハーブのセラピストが自宅サロンにおいて、新たなメニューとして取り入れるものとして非常に有益な学びです。
◆AYJヨガインストラクター資格
AYJヨガスクールは、私が主宰する神奈川県厚木市のヨガスクールで、アニミズムヨガジャパンの略称です。
アニミズムとは、直訳すれば自然信仰ですが、ヨガのルーツ『リグ・ヴェーダ』や日本の『古事記』にあるように自然を神として讃えることを大事に、換言すれば、自然を慈しみ大切にすることを主軸とします。
自然実習やリトリート開催のノウハウなども学べます。
私自身が体育学の大学院で学んだため、ヨガに関わる解剖生理学やフィットネス要素をしっかりと押さえながら、ヨガ哲学や古典の解説、ヒプノセラピストとして潜在意識の探求から得た、スピリチュアルな要素の解説など、現代ヨガと古典の真理をバランス良くお伝えしています。
インストラクターとしてのPR力も磨き、自身の進みたい道を明確にしていくため、資格をとったのにどうして良いかわからないということがありません。
1年間、全24回の講座ですので、フルタイムで仕事をされている方でも無理なく学びを進めることができます。
AYJヨガスクール詳細はこちら
*現在は神奈川県厚木市のみでの開催ですが、ご要望があれば、別の場所での開催も検討可能です。
私自身のスクールのみリンクを貼らせていただき恐縮ですが、ヨガインストラクター資格は、多くの団体がそれぞれに認めています。
内容・期間・場所・費用などを比較して、ご自身に合った講座を見つけることが、インストラクターとしてヨガを楽しく教えていくことに繋がります。
こちらの記事がその情報のひとつとなれば幸いです。
あなたにとって、人生観が変わり生涯のベースとなる思想を培えるような養成講座に出逢えますように。
AYJヨガスクール主宰
ヨガスタジオアルモニ代表
吉川 里奈